ちぇり~りうむ

日常4コマと鉄道の旅が好きな人の隠れ家です(*'w'*)

続・へっぽこ同人作家、出張編集部に特攻する

 
2018/5のコミティアで出張編集部に特攻したらボロクソに言われたので、
リベンジしてみた。
 

 

前回の記事
 

  

出張編集部に特攻リベンジしてみた

 

口は災いのもと!?いつだって退路なんかない

 
2018年11月某日
 
神「来週コミティアありますね~。いなかみさんは行きますか~?」
 
いな「知り合いの冷やかしがてらですかね。あと出張編集部のリベンジも」
 
神「言うねぇ。前より改善されたことだし、期待してるよ」
 
 
そうつぶやくと、神はまた不敵な笑みを浮かべていた。
 
 
いな「お恥ずかしながら、こういうモノもあります。マンガじゃないのが恐縮ですが。」
 
そう言って前回特攻した時の記事を見せた。
 
 
神「え~。私、神になってる~!なんかのキュレーションサイトっぽい!」
 
神とはいえ文字媒体は専門外であろうし、チラ見程度で流されるだろうという思った。
しかしその思惑とは裏腹に、
見入るように渡した画面を眺めていた。
 
 
自分のかいた(write and/or draw)モノを目の前で凝視されるのは、
未だに落ち着かない。
 
「お前は一体何年同人やってるんだ」
と心の中でセルフツッコミをしながら、
黄色い奇声を上げたくなる衝動を抑えるために、
描きかけの原稿を進める仕草をした。
 
 
神「ちゃんとブログになってるね~。
いや、そう思ってもらえたなら言った甲斐があったよ」
 
 
その後は、描きかけの原稿やら何やらについて、
神に「あーでもない、こーでもない」とヤジを飛ばされ、
頭を抱えながら帰路についた。
 
 
 

再戦の時!?出張編集部

 
時は11/25、朝8時。
ついに、その日がやってきたのだ。
やってきてしまったのだ。
 
そそくさと身支度を整えると、開場には大分早い時間だったが、
自宅の居城を後にした。
 
入場前から並んで、開場一番に大手サークルなんか目もくれず、
出張編集部に特攻するなどという、
やる気だけは万全なプレイをしてやろうかとも思った。
 
作品クオリティは完全に置いてけぼりだ。
 
 
 
それはそうと、早く出たのには別の目的があった。
 
来月の某寝台特急列車のきっぷを購入することだ。
 
10時に発売されるそのきっぷを端末越しに討(打)ち取るため、
駅のみどりの窓口に陣取った。
 
いな「スタンバイレディ!セーットアーップ!!」
 
窓口氏「取れました」
 
いな(フッ・・・勝った)
 
窓口氏「あっ、これ臨時便じゃない列車だった」
 
いな「ンゴーーーーー!?!?」
 
そんなわけで、第一希望の豪華A個室は逃したものの、
何のレアリティもないB個室を確保したのだった。
 
 
出鼻をくじかれながらも、その足で国際展示場に到着した。
覚えてろよ、出張編集部。
 
 
いきなり特攻する肝もなかったので、
まずは友人のサークルに寄り道することにした。
 
Kさん「わ~!来てたんだ~!」
 
2日前に食事会があって以来、約48時間ぶりの再会である。
 
Kさん「何かお目当てはあるの~」
 
いな「うーん、そういうのはないなあ。
友人のところの冷やかしぐらい?あとは...」
 
Kさん「え、持ってくの~!すごーい!マジメだね~!」
 
いな「前回誰かさんに崖から突き落とされたんで、
それのリベンジっすよ」
 
Kさん「後で感想聞かせてね~」
 
Zさん「あれ、いなかみさん。来てたんですね」
 
事前のアポも何もないのに、人のサークルを冷かしていると、
どんどん顔見知りが寄ってくる。
悪いオタクの習性である。
 
Kさん「ねえ、いなかみ君が出張編集部行くんだって~!えらいね~」
 
Zさん「じゃあ僕も付き添いますので、一緒に行きましょう」
 
いな「いやいいですから。
これって公開処刑ってやつですよね。
そういうならZさんも一緒に行きましょう」
 
 
その場を後にしたが、Zさんもそれに追従した。
 
 Zさん「自分は何年か前にコミティア参加した時にもっていきましたね~」
 
いな「経験者じゃないですか。すごいじゃないですか」
 
Zさん「いや~。話がありきたりとか、弱いとか、色々言われましたね~。
でも、また持っていくなら、ちゃんとオリジナルで持っていきたいですね」
 
いな「二次創作の薄い本を持って行っている自分は一体(笑)」
 
Zさん「さすがにずっと後ろで見ているのもいたたまれないんで、
僕は挨拶回りしてますわ。
後で感想だけ聞かせてください」
 
 
Zさんはそう言うと、欲望にまみれたオタクの群衆の中に消えていった。
 
 
通常のサークルスペースとは趣の異なる
出張編集部のエリアを前にして、
ブースの混雑度や中の人たちの顔色を伺って回った。
 
 
前回のような嫌な緊張感はなかった。
慣れとは、恐ろしいと当時に頼もしいと思った。

 

とはいえ、プロ志望の人が群雄割拠する中で、
長時間待つのは御免こうむりたかった。
 
狼の群れに放り込まれ散々待った挙句、
「え、キミは二次創作なの?」みたいに思われるのも
辛いものがある。
 
 
いくつか覗いたところで、
前回持ち込んだ「ニーチャン」のブースが目に入った。
前回の「ニーチャン」はそこには見当たらなかったが、
オジサマと数人のネーチャンがヒマそうに座っていた。
 
よし、今なら誰も並んでいない。
 
これは再戦のチャンス!とばかりに、
受付用紙の配布場所で、履歴書ならぬ創作経歴書を手にした。
 
 
2回目ともなれば書く内容も知れたものだ。
 
名前や年齢、ペンネームなどを記入し、
最後の掲載・受賞歴の欄には、
堂々の「なし」と記入した。
 
「職歴:なし」とか「資格:なし」と同じアレだ。
 
前回は「なし(同人のみ)」と書いたが、
そんなちっぽけな見栄を張るのすら面倒になって、
裸一貫で特攻することにした。
 
これぞ、「装備:なし」だ。
 
 
そそくさと出張編集部のブースの前まで戻ると、
前で同じ受付用紙を持った子が内部の様子を伺っていた。
 
自分も入るつもりだったので、
待っているのかな?と観察していると、
ブースの中に吸い込まれていった。
 
その子と編集部の人の頭上に、
「バトルスタート!」の文字が見えたような気がした。
 
 
隣のオジサマは相変わらずヒマそうにスマホを弄んでいた。
 
死ぬならさっさと逝った方が楽なのは前回経験済なので、
そそくさとそのオジサマに近付いた。
 
いな「二次創作ですけど見てもらえますか...」
 
オジサマ「いいですよ」
 
いな「お、お願いしますっ!」
 
そう唱えると、自分の二次創作の薄い本
「こんいろスタート」を場に出した。
 
 
前回は世界が灰色に色褪せた閉鎖空間に閉じ込められていたが、
今回はそうはいかない。
 
フィールドペナルティが無いだけでも全然違った。
まず、相手の動きが読める、見える。
世界もちゃんとフルカラーで表現されている。
五感があるって何て素晴らしい事なんだろう。
 
オジサマは、難しい顔をしながらページをめくっていた。
少なくとも読み飛ばされたりはしていない。
マジで読んでくれてはいるようだ。
 
余りに出来がアレだと、
テレビのワイドショーみたいに鐘がなって強制終了みたいな事も懸念したが、
ちゃんと最後まで読んでいる。
 
相手の精神攻撃をどう防御するか策を練っていると、
なんともう一度最初から読み始めた。
 
素人が描いた二次創作の薄い本を、2週もしてくれている。
それだけでも感激だった。
 
 
 
手持ち無沙汰になり、ふと先に座っていた隣の子の方を向くと、
その子の受付用紙が目に入った。
 
年齢は自分よりn歳若いらしい。
自分も随分と遠くまで来てしまったものだと実感した。
 
掲載・受賞歴の欄には、1行だけだが、「なし」以外の何かが書かれていた。
 
こいつ…経験者だぞっ…
 
 
そう思うと隣の人の原稿が急に輝いて見えた。
 
実際、ぱっと見綺麗な絵だった。
 
 
そうこうしている間に、目の前のオジサマは自分の薄い本を読み終えていた。
 
オジサマ「内容がありきたりですね~。」
 
いな「と言いますと」
 
オジサマ「スク水の解説は、どこかで見た感じの内容になってしまっているので、
こういうのよりも、もっとフェチ味のある内容の方が良いと思いますよ。」
 
いな「なるほど確かに、解説本じゃないですものね~」
 
オジサマ「あとは~~、こんなプールありますかねえ」
 
いな「う゛っ…」
 
この前、神にも「背景をもっとちゃんと描きましょう」と言われたところだった。
正直何も言えなかった。
 
だからっていきなり描けるかっていうと無理。
キングスライムぐらいでひーひー言ってる奴に、
ラスボスを20ターン以内 に倒せっていう位には無理。
 
 
オジサマ「原作に過去の話の片鱗があるならまだしも、
そうでないなら出会った後の話の方が
お得感があるんじゃないですかね~」
 
お得感という表現がどこか引っかかった。
エピソードとしての盛り上がりという事かな?など、
頭の上に?マークが3つぐらい並んだ。
 
 
オジサマ「でもスク水が好きなのは分かりますね~」
 
そこ、それ一番大事だから!!
というかそのための本ですから!!
 
それだけでもかなーり救われた気持ちになった。
他は色々とへっぽこだけど、
同人やってて良かった。
 
それ以外にも、
もう少し話を深めたらどうか
スク水は着ないですよね?とか
それ故にエロさとかロマンがどうとか、結構色々な話をした。
 
趣味の同人相手に、
これだけ色々見てくれるのかと逆に感心した。
 
出張編集部って、実はとっても親切な場所なのでは? と。
 
 
一通りバトルが終わった頃、ふと隣の子を見ると、
なんと名刺交換をしているではないか。
話の流れを察するに、
依頼とか、また連絡しますとか、
フラグビンビンなようだった。
 
エロゲーだったら、これ個別ルート突入してるね。
「新人作家とネエチャン編集のイケナイ個別指導」みたいな。
 
 
さすが、ナシナシ尽くしの自分とは違っていた。
 
 
この世の不条理をすごく感じたが、
初めて日が浅いものは仕方ない。
 
唸らせるまで何度でも特攻してやることを心に誓い、
その場を後にしたのだった。
 

後日章~手の平の上で踊る同人屋~

 
神「そういえば、コミティアは行きました?」
 
いな「行きましたよ、例の出張編集部も含め」
 
神「おお、それはそれは」
  
いな「やっぱり背景!って言われました。それとありふれた内容って」
 
神「でも二次創作だからね~。男性向けはそういう内容を求める傾向もあるしね。
でも背景はもっと描いて慣れてね☆」
 
いな「いや~。毎回ボロクソですね。それでも何度でも蘇りたい。」
 
 神「色々言えるだけ、まだマシだよ~。
だって、本当にひどいものはコメントすら出来ないし、
ただただ読んでて苦痛だから。
それにちゃんと持っていくあたり偉いと思うな~」
 
これもどこかで聞いた言葉だった。
1作も描かない漫画家志望者に比べたら、
色々やっているのは確かなのかもしれないと、
昔の自分をみて思うのだった。
 
 
神は、前回と同じくどこか満足そうな表情を浮かべていた。
 
飴と鞭ではないが、いつだってこの人は人を載せるのが上手いなと思う。
出来ているところを褒めて、直した方がいいところを指摘する。
そのバランスが絶妙なのだ。
 
言っている事が本心なのか
営業上の言葉なのかは定かではないが、
何故か心に響くし、悪い感じはしなかった。
 

色々な人の話を聞くべし

 
少しでも良いモノを作りたかったら、
色々な人の意見は聞くべきと思う。
 
連続的に色々な人に見せて話を聞いてみて、
自分だけでは気づかなかった事の多さを思い知った。
 
 
複数人から言われたことは、
良くも悪くもそう見えているという事なので、
信頼度の高い評価なのだろう。
 
 
同人で仲間内で見せるだけでは、通常は辛口評価は頂けない。
 
そういう事を言ってくれる場所という意味では、
出張編集部は、タダであれだけ色々見て頂けるのは
実はとても凄いところなのではないかと感じた。
 
 
背景などの言われた課題は、
多少の自覚はあるものの、
無意識のうちに避けていたことばかりだった。
 
「カラーは綺麗だね」というのも何人かに言われた。
「それは暗にモノクロはショボイと言いたいのか」
と勘ぐってしまったが、
そこは素直に受け止めておいた。
 
 
同人イベント、作品数、出張編集部など、
どれもある程度回数を重ねるのも大切だと思う。
 
今回行ってよかったのは、変な緊張や狼狽をあまりせず、
周りをきちんと見渡す余裕が出てきたことだ。
 
面接や同人イベントと同じで、
何度か参加して、まずはその場に慣れるのが第一歩と思った。
 
 
出張編集部で言われ(殴られ)慣れてもきたので、
次に行く機会があったら、今度は何か所か持ち込んでみようと心に誓ったのだった。
 
 
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